阿弥陀堂は五間五面の宝形造で、周囲に一間の廂がめぐらされています。屋根は頂上に宝珠をのせ、その下には裳階(もこし)がついており、ともに檜皮葺です。数十年に一度の葺替えは大事業で、これまでも多くの方のお支えのもとにおこなってまいりました。 堂内は、中央に安置された阿弥陀様を囲む四天柱が内陣と外陣を分けており、内陣は創建時のままで、須弥壇のかたちからも当時の特長をよく遺していることがみてとれます。四天柱には金剛界曼荼羅の諸尊が描かれ、内陣を見上げると、阿弥陀様を取り巻く長押の上の漆喰壁には飛天の壁画、折上格天井には宝相華が描かれており、当時の貴族が憧れた極楽浄土の世界がひろがっています。 阿弥陀如来坐像は藤原時代に造られた定朝様式の仏像で、頬はふくよかで優しいお顔立ちが特長です。吹き寄せ式の蓮華座の上に、飛天光背を背にして坐っておられます。千年以上、ずっと私たち衆生をみつめ、温かく包み込んでくださるような仏様です。お堂の中央に安置されていることから、阿弥陀様の周りをまわりながらお参りすることができます。